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【ダニング=クルーガー効果の例】投資家こそ、重大な認知バイアスに注意が必要!




 

へたくその上級者への道のりは

己が下手さを知りて一歩目

安西 光義

 

 皆さま、お疲れ様です!ぴの(ぴの @インデックス怪獣 (@indexpino) | Twitter)です🐤

 今回はスラムダンクの安西先生の名言から始めてみました。

 多くの経験豊富で著名な投資家たちは口をそろえて、インデックス投資がよいと言います。しかしながら、個人投資家の多くは自分自身の調査に基づいた個別株での運用を目指そうとします。なぜ、鍛え抜かれた熟練投資家の意見を聞かずに、自身の判断を尊重するのか、そこに認知上の錯誤「ダニング=クルーガー効果」があるのではないかと感じます。

 本記事は投資家に限らず、学業や仕事、日々の生活の多くに関わってくる内容だと思います。ぜひ多くの方に読んでいただければ幸いです✨

 

 

 

ダニング=クルーガー効果

 (Wikipediaより、)ダニング=クルーガー効果とは、「能力の低い人物が自らの容姿や発言・行動などについて、実際よりも高い評価を行ってしまう優越の錯覚を生み出す認知バイアス」のことを指します。これはデイヴィッド・ダニングとジャスティン・クルーガーによって発見された認知バイアスで、彼らはこの研究成果からイグノーベル賞を受賞しています。これを図示したものが下になります。

 

個別株に挑戦する投資家が犯す過ち:ダニングクルーガー効果

 人がある領域で専門家になっていくプロセスは、3つに分けて解釈することができます。

①知識は少なく、経験も乏しい

②ある程度の知識を備え、ある程度の経験もある

③多くの知識を備え、長年の経験に基づいて判断ができる

 ダニングクルーガー効果とは、このうちの①の段階において、自身がある領域で少し知識をつけた際に、それで全てを語れると考えてしまう大きな過ちだと解釈できます。これは初心者である故に、自分が知らないことを認識できない、また、熟練者の能力の高さも認識できていないために、身の丈に合わない自信を持ってしまうという重大な錯誤です。

 その後、いくつかの経験を積み、能力を高めるにしたがって、己の無知を自覚するようになります。それにより、自信は低下しますが、これが成長における重要なポイントであると言えます。初心者の頃は認識できなかった、「できること」と「できないこと」の境界が自覚できるからこそ、自分自身の課題を認識でき、次なる成長につなげることができます。

思い返せば、私にもダニング=クルーガー効果の経験が、、

 

投資におけるダニング=クルーガー効果の例

 ダニング=クルーガー効果は、ほぼすべての専門領域で当てはまると思いますが、特に投資の領域では顕著にみられると感じます。投資の世界では、不確実性と運に支配されている要素が極めて多いです。一昨年までは予想すらしていなかった、感染症が去年流行し、それにより株価は大きく暴落しました。そして、これまた予想外のスピードで株価は急回復し、今はバブルかもしれないと噂されるようにもなりました。投資の世界は予測不能であるために、偶然と運の要素は大きく働きます。専門家が外した予想を自分は当てることができたという経験もありえなくはありません。

 初心者のなんとなくの銘柄選定で、偶然にも一か月で資産が10%増えることも十分にあり得ます。著名な投資家が「インデックス投資がよい、そうすれば年10%リターンを得られます。」と発言をしていても、「自分はそのリターンを1か月で稼いだ」と聞く耳は持たれません。強大な運という影響を認識できていない人は、自分が得たリターンは自分の能力によるものであると容易に錯誤してしまいます。(私自身、個別株をやっていたころは過信していました。) 

 ラッキーに恵まれた投資家も、運である以上、長くは続かず、自信は砕かれるかもしれません。それでもくじけずに長年、市場に立ち向かい続ければ、知識と経験を蓄えることができ、著名な投資家の賢明さを改めて実感する日が来ると思います。そうなったときに、きっとあなたが「インデックス投資がよい!」と初心者にアドバイスをするかもしれません。しかしながら、あなたのアドバイスはきっと響かないでしょう。そこにはダニング=クルーガー効果がありますので。

 

 

 

知っているからこそ、自信がもてない

最後に、余談になりますが、先ほどの図をもう一度出します。

個別株に挑戦する投資家が犯す過ち:ダニングクルーガー効果

 今回、図を作る際に、最終段階(知識も経験もある人)の自信レベルを第一段階(知識も経験もない人)の自信レベルよりもあえて低めに書いてみました。ものを知れば知るほど断言することが難しくなる、という私の経験に基づいて設定しています。

 テレビを見ていても、ワイドショーで強く意見を主張し断言できる人は専門家でも何でもない、何も知らない第三者であることが多いです。一方で、専門家の意見となると、濁したような曖昧な表現を使うことが多くなってしまう。多くを知っているからこそ、あらゆるパターンが認識でき、容易に断言ができなくなってしまうというのは、考えてみれば仕方がないことかもしれません。

 

 まとめ

 今回は初心者が自身の無知を知らないために誤った認識をしてしまうという、ダニング=クルーガー効果について紹介させていただきました。これはおそらくほぼ全ての人間に当てはまる普遍的な認知的な錯誤であると思います。

 今一度、冷静になって、安西先生の言葉に耳を傾けるのもよいかもしれません。

へたくその上級者への道のりは

己が下手さを知りて一歩目

安西 光義

 

では、皆様の良い投資につながりますように!

 

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