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【高シャープレシオ銘柄が良いは嘘】シャープレシオの欠点、より注目すべきは絶対に〇〇!




「資産評価の指標であるシャープレシオとは?」

「シャープレシオが高いほど、本当に良い資産なのか。。」

 

皆さま、お疲れ様です!ぴの(ぴの 【公式】@インデックス怪獣 (@indexpino) | Twitter)です🐤

資産を比較する際の指標の一つにシャープレシオがあります。

これはリターン/リスクの値で計算され、シャープレシオが高い資産ほど効率よくリターンが得られることを示します。

しかしながら、長期投資においてはこのシャープレシオをもとに投資先のファンドを選択すると、パフォーマンスが悪くなってしまうこともあります。

本日はこのシャープレシオについて概要を紹介したうえで、効率よく安定的に運用を行うために重要なポイントを紹介いたします。

 

【結論】

■シャープレシオ=リターン/リスク

■シャープレシオが高いファンドは必ずしもリターンは高くない

■長期運用ではその資産のリターンそのものにフォーカスすべき

■分散投資でリスクを低下させシャープレシオを高めることが大切

 

目次

 

 

 

 

シャープレシオとは

シャープレシオの定義をSMBC日興証券のWebサイトより引用いたします。

(シャープレシオとは、)リスク(標準偏差)1単位当たりの超過リターン(リスクゼロでも得られるリターンを上回った超過収益)を測るもので、この数値が高いほどリスクを取ったことによって得られた超過リターンが高いこと(効率よく収益が得られたこと)を意味します。異なる投資対象を比較する際に、同じリスクならどちらのリターンが高いかを考えるときに役立ちます。このシャープ・レシオは、リスク調整後のリターンを測るものとして、投資信託の運用実績の評価などにも利用されます。

 

シャープレシオとは([リターン] - [無リスク資産のリターン]) /[リスク] で計算できます。

証券用語のリスクとは、値動きの変動度合いのことです。

現在のゼロ金利では、実質無リスク資産のリターンはほぼゼロですので、下記の式の認識で問題ありません。

 

シャープレシオ=リターン/リスク

 

シャープレシオが高い資産ほど、比較的低いリスクで良いリターンが得られることを示します。

実際にイラストで示すとイメージがつかみやすいと思います。

 

シャープレシオはリスクとリターンの比

 

■資産①では、リスク(価格変動)はそれほど大きくない一方で、高いリターンを示していることから、シャープレシオが高い良い資産であることが言えます。

■資産②では、資産①と同等の高いリターンが得られている一方で、リスクは①よりも高いです。このため、シャープレシオは中であり、資産①よりは魅力は劣ると言えます。

■資産③では、リスクはそれほど高くはない一方で、資産①・②と比較をするとリターンは低いです。そのため、シャープレシオは中であると言えます。

■資産④では、資産③と同等の低めのリターンである上に、リスクがとても高い資産です。そのため、シャープレシオが低い、あまり良くない資産であると判断できます。

 

シャープレシオが高い資産はブレが少なく安心してハイリターンが稼げる魅力的な資産である一方で、この指標が低い資産は 価格のブレが大きく投資家にストレスを与えるうえにリターンも少ない、いわば避けたい資産であると言えます。

 

 

 

 

シャープレシオの欠点:シャープレシオが高さはリターンの高さとは無関係

シャープレシオはリスクとリターンの関係で計算できることを紹介いたしました。

リスクとの関係でシャープレシオは決まるために、この指標は必ずしも高いリターンを意味する指標ではありません

下の図をご覧ください。

 

シャープレシオは重要ではない、その資産のリターンが重要

 

■資産⑤はリターンはあまり大きくありませんが、価格変動は極めて小さいです。そのためにシャープレシオは高い資産であると言えます。

■一方で、資産⑥はリスクは大きいですが、リターンも大きく、シャープレシオは中程度の資産であると言えます。

この例から、シャープレシオが高い資産は効率的にリターンを稼げる一方で、そのリターンの絶対量は必ずしも高いとは限りません。

 

 

個々の銘柄のシャープレシオは気にしなくてよい

個人のリスク許容度にもよりますが、余剰資金で長期投資をする場合、先ほどの⑤と⑥のどちらの資産に投資したいでしょうか。

おそらく資産⑥ではないでしょうか。

直近では使わない資金であるために一時的な資産価値のブレを許容しながら、高いリターンを求める方が合理的であると言えます。

(もちろん短期投資を考える場合は、元本割れの危険性を減らすために資産⑤に投資をすることが良い選択であると言えます。)

 

以上から、長期投資家は、シャープレシオに着目して投資するファンドを決めるのではなく、期待できるリターンの絶対量に着目することが大切です

証券会社のサイトでは、シャープレシオによりファンド検索ができるケースも見られますが、個々の銘柄のシャープレシオは気にする必要性はあまり高くありません。

 

 

分散投資はシャープレシオを高める

個々の銘柄に関してシャープレシオに注目した銘柄選定をすることにより、期待リターンが減ってしまうという欠点を紹介いたしました。

一方で、これらの銘柄を複数組み入れた個人のポートフォリオ内においては、シャープレシオは「効率的にリターンを稼ぐ」という意味で大切な意味を持ちます。

 

いくら長期投資といっても、たびたび元本割れを起こすような値動きの大きいハイリスク運用をするのは極めてストレスがかかります。

このストレスを避けるためにも、十分に分散投資をすることが重要です。

分散投資の効果について、下図をご覧ください。

 

分散投資はリスクを低下させ、ポートフォリオのシャープレシオの向上をもたらす

 

ばらばらの値動きをする4つの資産のそれぞれはとてもハイリスク(値動きが大きい)である一方で、それらすべてに均等に投資をした赤線の平均資産の値動きは極めてなだらかに推移しています。

分散投資をすることにより、個々の銘柄の値動きを相殺させあい、リスクを低減させることができます。

これにより、ご自身のポートフォリオ全体のシャープレシオの向上を実現することができます。

 

 

ハイリターン資産への分散投資がベスト

以上を総合すると、長期運用で選ぶべき資産は高いリターンをもたらす複数の銘柄であり、それらの資産に分散投資をすることが重要であると言えます。

これにより、高いリターンと低減されたリスクが実現でき、シャープレシオの高い効果的なポートフォリオが構築できると言えます。

これを実現できる手法の一つにハイリスクバランス戦略があります。

これは値動きが完全には相関しない複数のハイリスクハイリターン資産に対して、均等に投資を行っていく戦略です。

具体的には先進国株式・新興国株式・米国REIT・日本REITといったような、ハイリターン資産のみに限定しながら、地理的・資産クラス的な分散を計ることにより、リターンもシャープレシオも高いポートフォリオ構築が可能です。

詳細は下記の記事で紹介しております。

 

 

 

 

まとめ

シャープレシオはリターン/リスクで定義され、この指標が高いほど効率よくリターンが獲得できます。

一方で、長期投資家にとっては個々の資産のシャープレシオはあまり重要ではなく、ハイリターンにこだわった銘柄選定の方がメリットがある可能性が高いことを紹介しました。

リスクは複数の資産に分散投資をすることにより低減できます。

複数のハイリターン資産への分散投資戦略が結果として、シャープレシオの高い優れたポートフォリオ構築につながると言えます。

  

今回の記事が皆さまの良いポートフォリオの構築につながりますように!

 

 

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