【図解】【長期投資家は知っておきたい】多くの人が誤解する、年率リターンの正しい計算方法
皆さま、お疲れ様です!ぴの(ぴの @インデックス怪獣 (@indexpino) | Twitter)です🐤
本日は長期運用を考える際に考慮する投資リターン計算の落とし穴について、紹介いたします。長期で投資を行っていく上で不可欠な要素を、この記事を読むことで知っていただければと思います。
早速下記のクイズについて、考えてみてください!
【クイズ】2年間投資をした結果、各年のリターンは下記の通りでした。
1年目:+20%、2年目:-10%
この場合、平均年率リターンはいくらでしょうか?
(20-10)÷2 = 5%だと思った方!私と同じ過ちを犯していますよ!
では図を交えながら、解説していきましょう!
目次
正しいリターン計算の方法
そもそもどこに間違いがあったのか、具体的に見ていきましょう。当初の資産を10000円とした際の運用結果を見てみたものが下の図です。
①では実際の運用結果、②では年利5%(+20と-10の平均値)での運用結果を示しています。①の実際の結果は10800円、②の年利5%の結果は11025円と計算できます。
あれ、、思っていた年利5%の結果よりも、実際の結果が低い、、
実はこの平均の計算方法に誤りがありますよ。
細かく計算を見ていきましょう。分かりやすくするために、この時の値動きを倍率で計算した図を示します。
2年間の運用結果は、10000×1.2×0.9 = 10800円と記すことができます。
ここで2年間で10000円から10800円ということは8%、だから年率4%!と思った方、投資における大切な要素を見落としています。
そうです、複利です。
(1年後の増加分に対しても4%のリターンが入ると、10800円を超えてしまいます)
しっかり計算してみましょう、資産が1年でy倍になるとすると、10000× y × y 円ですので、
今回の計算は1.2×0.9=y2となり、y=(1.2×0.9)1/2=1.0392…
年利x%と倍率yの関係は(1 + x/100)=yですので、(1 + x/100)=1.0392となり、x=3.92%と求まりました。【これが正解です!】
本当に正しいのか、見てみたものが下の図です。
細かい小数点を無視しましたが、おおむね正しい値となりました✨
とても単純なクイズでしたが、意外と見落とす罠が多かったですね!(私もはじめ、間違えました笑)
リターン計算は積算で考えること、複利の影響も考慮することがポイントです。
誤った平均値計算がもたらす落とし穴
今回は理解促進を優先するために、難しいワードを避けて説明しました。
実は数学では相加平均と相乗平均という異なる平均値の算出の仕方があります。一般的によく使われる足し算で求まるものは、相加平均と呼ばれる一方で、今回のように平均リターンを計算する際には相乗平均という平均値を計算しなければなりません。
二つの値aとbがあるとき、各平均は次のように計算ができます。(本ブログではこれ以上は踏み込みません!)
相加平均=(a + b)/2
相乗平均=(a × b)^1/2 (a × b の1/2乗)
そして、相加平均と相乗平均には次のような大切な関係性が常に成り立ちます!
相加平均≧相乗平均
つまり、実際の年利リターン平均は常に単純に足し算で算出した平均値以下となります。今回の例で見てみると相加平均リターン=5、実際の平均リターン=3.92ですので、確かに実際のリターンの方が低いですね!
足し算で求めて算出したリターンを期待しても、それはほぼ確実に絵に描いた餅に終わるってことですね。
相乗平均の計算は普通の電卓では難しいので、今回はリターン計算は積算で、複利の影響も忘れずに、という認識だけ持っていただければ良いです!冒頭で記載した長期投資を考える際に不可欠な要素とは、まさにこの2点です!
ちなみに相乗平均の計算の際にはエクセルでの関数Geomeanを用いれば算出ができます。
なお、一般的に証券会社のWebサイトなどで扱われている過去リターンの年率は相乗平均で示していますので、そのままの値で解釈していただいて大丈夫です!
しかし、その値からリターンを平均して、、とやるときはお気を付けください!
次回は今回の算出方法を用いて、近年の資産ごとのリターンを計算してみたいと思います!株式投資に限らず、REIT(不動産)や債券といった資産にもうま味があることをご理解いただけると思います!
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