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【27年分のS&P500データで比較】毎日積み立てと毎月積み立て、リターンが高いのはどちらか?




 

「毎月積み立てと毎日積み立て、どちらが得をするのか?」

 

皆さま、お疲れ様です!ぴの(ぴの 【公式】@インデックス怪獣 (@indexpino) | Twitter)です🐤

積み立て投資のメリットは、時間的分散を計ることにより、高値で買ってしまうリスクを避けることができる点であると言えます。

積立の設定は多くの場合、毎月積み立てを設定すると思いますが、もしも究極的に時間分散をするのであれば、より細かく毎日積み立てをするという手法も考えられます。

毎月積み立てと毎日積み立て、どちらがより高いリターンをもたらすのでしょうか。

 

今回は実際に、過去のS&P500のデータを用いて、毎月積み立てと毎日積み立てのリターンの違いについて計算しました。

 

目次

 

毎月積み立てと毎日積み立て、リターンが高いのはどちらか?

 

 

比較の条件

今回は投資家にとって最も人気な指数である、米国S&P500の値動きを参考にシミュレーションを行っていきます。

データはS&P500を対象指数とする最古のETFであるSPYを参考データとします。

SPYは1993年2月に上場しているため、今日に至るまででトータル27年分の価格データを用いて比較を行っていきます。

毎日積み立てと毎月積み立ての積立条件は下記の通りです。

■毎日積み立て:1日1回、毎日1000円を追加投資していく

■毎月積み立て:毎月の月初に1回、毎日積み立てで投資をする場合のその月のトータル額を追加投資していく

(例えば1993年の2月には平日が19日あるため、2月1日に19000円を投資することになります。)

 

※また、ここで極端な例として、毎年積み立てというケースも入れてみました。

■毎年積み立て:毎年の年初に1回、毎日積み立てで投資をする場合のその年のトータル額を追加投資していく

(例えば1993年には平日が254日あるため、上場開始日の2月1日に254,000円を投資することになります。)

 

さて、このように毎日積み立てと毎月積み立て、さらには毎年積み立てをした場合、どの戦略が最も高いリターンをもたらすのでしょうか。

 

 

毎月投資と毎日投資の価格推移

実際に27年間、運用をしてみた結果を下の図で示しています。

 

毎日積み立てと毎月積み立て、毎年積み立ての運用リターンの比較

 

運用をしない場合には1993年2月1日から2021年4月31日までの間に平日は7,114日ありますので、トータルで7,114,000円がたまることになります。

そして、毎日積み立てと毎月積み立て、毎年積み立てについて比較をしてみると、いずれの戦略をとっても値動きの推移はほとんど変わらないことがお判りいただけます。

この図では最終的なリターンが見づらいと思いますので、リターンを比較したものを次に示します。

 

 

毎月投資と毎日投資のリターン比較

27年間S&P500に積み立て投資をした場合、各戦略ごとのリターンを示したものが下の図になります。

 

毎日積み立てと毎月積み立て、毎年積み立て、得をする運用戦略とは?

 

この図からも、毎日積み立てと毎月積み立て、毎年積み立て、いずれを選んでも大きなリターンの差がないことがお判りいただけます。

強いて言うなら、毎年積み立て>毎月積み立て>毎日積み立ての順番でわずかにリターンが高くなっていたと言えます。

実はこの差が生じるのには理由がありますので以下の章で紹介していきます。

 

一方で、運用をしない戦略をとると、運用した場合と比べて資産は1/4と、大きく見劣りしてしまうことがお判りいただけます。

資産運用をしないこと、そのものが大きな機会損失に繋がることはこの図からお判りいただけます。

 

以上から、「毎日投資と毎日投資、毎年投資、いずれの運用戦略をとってもリターンは大差ない」といった結論を得ることができました。

最後にご納得いただけるように、その理由について紹介してきます。

 

 

 

 

毎月投資と毎日投資のリターンに大差がない理由

なんとなくのイメージとして、毎日積み立てをした方が時間的な分散が効くためにリターンも良くなるのではないかと推測できます。

一方で実際に比較をすると、毎日積み立てと毎月積み立て、毎年積み立ていずれをとってもリターンには大きな差がありませんでした。

これは以下のように、時間的な分散が必ずしもメリットには働かないケースがあるためです。

「毎日投資をすることにより、確かに運悪く高値で買ってしまうリスクは大きく低減することができますが、同時に運よく安値で買える幸運も大きく低減されてしまいます。」

時間的な分散はある程度行うことが望ましいですが、それを細かくしすぎたとしても、リスク低減には繋がらないという事実は、実は投資の世界ではよく知られています。

今回の検証結果はその事実を支持した結果であると言えます。

 

さて、もう少し細かく見てみると、毎年積み立て(年初に一括購入する)戦略をとると毎日積み立て、毎月積み立てと比較をして、およそ100万円リターンが向上することが見て取れます。

なぜそんなことが起こるのか。説明は単純です。

株価は歴史的に見て、右肩上がりに上がっており、バフェット氏がそう主張するように、この先の将来も継続的な上昇が見込まれています。

そうなったとき、確率的に見てみると、年末の株価は年初の株価よりも高値であるケースが多いと言えます。

つまり年初に一括で買ってしまった方が、毎月、あるいは毎日ちまちま買うよりも平均すると安値で買える可能性が高いと言えます。

その結果、安値で買えた分、毎年(年初)積み立ての方が高いリターンが見込めるという理屈です。

 

この理屈を踏まえたうえで、積み立てNISAをどのように買うべきか、以前の記事で紹介しましたので、興味がございましたらご参考にしてください。


 

まとめ

今回は毎月積み立てと毎日積み立て、さらには年初に一括投資をする毎年積み立ての3つの戦略を過去のS&P500のチャートに適用した時、リターンが高い戦略はどれか、検討を行いました。

その結果、毎月・毎日・毎年、いずれの戦略をとっても大きなリターン差はないことが示されました。

多くの証券では、毎月積み立ての設定は容易である一方で、毎日積み立ての設定を適用していない証券会社もあります。

そのため、私は管理が容易な毎月積み立てを継続していくのが良いのではないかと思います。

そしてもしも余剰金が大量にあるのであれば、毎年積み立てでの説明でふれたように、株価の右肩上がりを意識して、早めに市場にお金を出す方針を検討してみても良いかもしれません。

 

今回の記事が皆さまの良い投資に繋がりますように。

 

■参考文献■

 

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